2月の大きなイベントといえば、節分の豆まきですよね。
節分の豆はまいても楽しいですし、何よりその後に豆を食べるのも美味しいです。
しかし、意外と知られていないのですが、節分は日本古来より伝わる行事なだけあって、実は豆まきにもちゃんとしたルール(作法)があるんですよ。
節分の豆まきは子供や家族と一緒にやることが多いと思います。子供に節分の意味を正しく知ってもらうためにも、節分の「正しい豆まきのやり方」を知っておきましょう。
豆まきの正しいやり方を教えて!
ではまず、豆まきの正しいやり方です。「福は内、鬼は外」と声を出して、豆まきを行うことは有名ですよね。
しかし、豆まきは豆をまく前にまず、神棚に豆を枡に入れてお供えをするようにしましょう。これは「今から節分を行いますよ」という神様へのご挨拶ですね。
神棚がない家庭では自分の身長より上の場所、例えば食器棚やタンスの上などに置いてもいいとされています。ただしそのような場所に置くときには、先に片付けや掃除をして、キレイにしてから置くようにしましょうね。
次に豆をまく人ですが、古来からの作法で言いますと、家長や厄年の人、年男、年女が豆をまきます。しかし、これを核家族が中心になった現代では厳密に行なうことが難しいので、あまり厳格に考え過ぎる必要はなく、家族全員でまいても問題ないようです。伝統行事とはいえ、家族みんなで豆まきをしたほうが普通に楽しいですしね。
そして、豆まきをするのは、鬼を追い出すために「家の奥の部屋」から行うようにします。
窓を開けて「鬼は外」の掛け声とともに外に豆をまいたら、窓から入ってこられないようにすぐに窓を閉めます。窓を開けていたら、そこから鬼が家の中に入ってきてしまいますからね。
次に今度は締め切った部屋の中で「福は内」の掛け声と共に、部屋の中に豆をまきます。これで家の中に福の神様をずっといてもらうわけですね。
ぜひ、子供と節分で豆まきをするときには、このような正しい意味を教えながら豆まきをするようにしましょう。
豆まきをするときの2020年の方角はどこ?
節分の時の恵方巻きは「恵方の方を向いて食べる」ということは、なじみ深いですよね。
では豆まきにも恵方巻きのように定められた方角はあるのでしょうか?
結論から言えば、あります。
豆まきを行う方角は北東から行うようにしましょう。
つまり前段で述べた「奥の部屋から行なう」ということと重ね合わせると、「豆まきは北東の奥の部屋から始めるのがいい」ということになりますね。
これは鬼がやってくる方角である「鬼門」が由来となっています。この鬼門の通りに、北東→南東→北西の方角へ順に豆まきを行うことで、鬼を追い払うことができます。
この豆まきの鬼門は、恵方のように年によって変わるものではありません。
ですので、年に関係なく、毎年この方角の順番で豆まきを行えば問題はありません。
豆まきで豆を食べる数は決まってる!?
節分の豆まきでもう一つ大事な行事ですが、豆を食べることですよね。
この豆を食べる数ですが、一般的には「年齢の数を食べる」と言われていたり「年齢の数に+1して食べる」と言われていたり、よくわかりませんよね。
実際、豆まきで豆を食べる数は決まっているのでしょうか?
結論から言いますと、決まっています。
厳密に言えば「実年齢+1つ」が豆を食べる正しい数なんです。
これは昔は年齢を「数え年」で数えられており、生まれた時は「0歳」ではなく「1歳」だったんですね。豆の数を「歳の数+1つ」食べるというのは、この「数え年」にもとづいた考え方なんです。また「来年も健康でいられるように」と願って1つ多く豆を多く食べるという説もあります。
ただ今では「数え年」は日常的に使うことはありませんよね。暦にも今の暦と旧暦があるように、豆まきの豆を食べる数も、数え年の「年齢の数+1つ」でも今の年齢の数え方の「年齢の数」でも構わないと言われています。
また最近では長寿になってきていますので「豆1つを10歳に置き換えてもいい」という風習もあるようです。つまり「82歳」だと、豆は「8つ+1つ=合計9つ」を食べればいいという考え方です。確かに歳を重ねてくるにつれて豆の数がどんどん増えてくるので、現代ではこのような風習もいいのではないかと思いますね。
ではなぜ節分の豆を食べるのでしょうか?
これは年の数だけ豆を食べることによって、福を体に取り入れると考えられているからなんです。豆まきの豆は大豆ですから栄養もあり、歳を取るほど不足しがちな栄養源をしっかり摂りなさいよ、という昔の人の戒めを「福」と置き換えたものだったのかも知れませんね。
豆まきの風習は・・・
節分は日本古来から続く伝統的な行事です。
せっかく家庭で節分を祝うなら、その由来や伝統もしっかりと理解して節分の豆まきをしたいですよね。
しかし、今は核家族や高齢化、ご家庭もマンションであったりと、昔の伝統的な正しい方法で豆まきをすることは、色々な事情があって難しい場合もあると思います。
ただ伝統通りにやらなくても「全くご利益がない」ということではありませんから、今の家庭で楽しめる範囲で「節分」という伝統行事を受け継ぎながら、なにより楽しんで伝えていきたいものですね。