沖縄の伝統行事 ムーチー とは?衝撃的な民話と対照的なお供えとは

蒸し器に入れているムーチーイベント・行事
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沖縄には独特な「おまじない」や「厄除け」がたくさんあります。

これは今よりもずっと過酷であった自然環境の中で生活するうえで、見えないものの力を信じ、そして見えないものを大切にすることで、過酷な自然と折り合いをつけていた先人たちの知恵だと考えられます。

沖縄の人にはごく当然というか、一般的なものなのですが、他の地域の人に話すと、とてもびっくりされることが多い「ムーチー」についてご紹介しましょう。

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「ムーチー」ってどんなもの?

たくさんのムーチー

ムーチーとは沖縄の言葉で「餅」のことなのですが、毎年旧暦12月8日に健康長寿の縁起物や厄除けとして食べるお餅やその行事を指す言葉として使われることが多いです。漢字で書くと「鬼餅」で、月桃の葉っぱ(カーサ)で包んであることから「カーサムーチ」とも呼ばれます。

ムーチーは旧暦の12月8日に行われるので、毎年日付が変わるんですね。12月の年もあれば、1月の年もありますが、2020年は1月2日です。この日にはムーチーをお供えし、健康長寿を願って家族で食べたり、子供の数だけ天井からつるしたりします。

また初めて赤ちゃんとムーチーの日を迎えることを「初ムーチー」と言って、親戚や近所の人にムーチーを配ったりします。他の地域で例えれば「初節句」のようなものですね。また幼稚園や保育園、児童館などでは、子供たちがムーチーを作って食べるイベントが行われることが多いです。

ムーチーの日が近づくと「ムーチー予約承ります」の貼り紙がお菓子屋さんじゃなくてもよく見られますが、家庭でも簡単に作れるので、ムーチーの材料の餅粉や月桃の葉がスーパーにも並びます。当日には、お菓子屋さんやスーパーで、山積みされて販売されています。

基本的には、ムーチーはムーチーの日だけ食べるものなので、その日が過ぎれば店頭に並ぶことはありません。ですが、牧志公設市場近くのお菓子屋さんでは、通年で販売されているようです。

「ムーチー」の味や香りは・・・

月桃の花と葉

紐でしばったムーチー

ムーチーは月桃(げっとう・沖縄の言葉でサンニン)に包んだ蒸したお餅で、月桃の葉のスッーとする感じがする爽やかな香りが付いた、素朴な甘さでどこか懐かしいお餅です。その反面で「月桃のニオイが苦手で・・・」という人もいるようですね。これは好みの問題なので何とも言えませんが・・・。

お餅の中にあんこなどは入っていません。基本は白砂糖で作った白いお餅ですが、最近は紅芋粉を混ぜた紫色、黒糖入りの茶色、かぼちゃ粉入りの黄色などバリエーションも増えてきています。

ムーチー(紅芋)

ムーチー(黒糖)

「ムーチー」の由来となる民話

ムーチーの行事には由来となった民話があります。地域によっても異なるようですし、またもともと大人向きの内容なので、子供向けにアレンジしたものもあります。

その民話とは、次のようなものです・・・

古い書物

昔あるところに、両親を早くに亡くした兄と妹が住んでいました。

年頃になった妹が嫁ぐと、その寂しさから兄は家畜を盗んで食べるようになってしまいました。

やがて、家畜がいなくなると子供をさらって食べる鬼になってしまいました。

村人はなんとか鬼を退治しようとしますが、うまく行かず困り果てていました。

そんな兄の噂は妹のところにも伝わりました。

妹は噂の真相を確かめに兄のところへ行くと、噂どおり兄が鬼になっていたので、とても悲しく思い、そして一計を案じました。

 

ある日、妹は兄の好物のお餅を作って再び兄のところを訪れました。

妹のお餅はいつものお餅ですが、兄のお餅には鉄くぎを入れました。

 

妹は「景色のいい崖の上でお餅を食べよう」と言って兄を崖の上に誘います。

そして崖の上で妹は着物の裾をはだけて座り、お餅を食べていると、月のもので赤いものが流れ出ているのに気付いた兄が

「おまえの下の口はなんだ?」

と聞くと、妹は

「ここは鬼を食べる口だ」

と答え、兄を崖の下に突き落として鬼を退治しました。

 

この民話でお餅を使って鬼退治をしたので、お餅は鬼が入ってくるのを防ぐとして縁起物になりました。

ムーチーの日が近づくと幼稚園や保育園、小学校では子供向けバージョンにアレンジした話を絵本や紙しばいで読み聞かせたりします。

ムーチービーサ

強風に揺れる木

ムーチーの日のころは寒波が襲ってくることが多いので、南国イメージの沖縄ですが寒くなります。

そんな現象を「ムーチービーサ」と言い、ローカル天気予報では、毎年「ムーチービーサにご注意ください。」なんて報じられます。

もちろん寒いと言っても沖縄のことですから、気温が10℃を下回ることはほとんどないのですが、とても風が強くなるので、体感温度はもっと低く感じられます。この時ばかりはダウンジャケットのような風を通さない防寒服が必要だなと思う沖縄県民も多いですよ。

もしあなたが沖縄を旅行しているときに、天気予報やニュースなどで「ムーチーピーサー」という言葉を耳にしたときには「気温が下がって強風が吹くんだな」と思ってくださいね。

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ムーチーについてまとめると・・・

まとめ

ムーチーとは旧暦の12月8日に、月桃の葉っぱに包んだお餅を食べて健康長寿を願ったり、厄払いをする沖縄独特の行事です。

幼稚園や保育園では、絵本の読み聞かせや子供たちが作ったりして食べますが、家庭で作ったり、完成品を購入して、大人も子供も食べる行事です。

またムーチーの味は、月桃の葉っぱの爽やかな香りとほんのりした素朴な甘さで懐かしさを感じます。基本的にはムーチーのときだけに食べる行事食ですが、牧志公設市場近くのお店では通年で販売されていますので、沖縄に来られた時には是非、ムーチーを食べてみてくださいね。

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