日本にはたくさんの行事がありますよね。
2月には「初午の日」(「牛」ではなく「午」です)というものがありますが、同じ2月の行事である「節分」と比べると、あまり知られていないように感じます。
実は私も「初午の日」に稲荷神社にお参りしたことがありますが、由来などは詳しく知らなかったので、そもそも「初午」とはどういうものなのか調べてみました
そもそも「初午」ってなに???
初午の日とは、「2月に入った最初の午の日」のことを指します。稲荷神社の総本宮である京都府の「伏見稲荷大社」の御祭神である「宇迦之御魂神」が山城国の稲荷山(伊奈利山)、つまり現在の伏見稲荷大社に降りて稲荷神になった日だと伝えられています。
【↓ 伏見稲荷大社の場所はこちらです。】
稲荷神、つまり伏見稲荷大社の御祭神は穀物・農業の神とされていて、とても縁起の良い日なので、この日に「五穀豊穣」や「商売繁盛」などを祈願するようになりました。これで「初午」と「稲荷神社」が深い関係にある日で、この日が大切な日だということが分かりました。
初午の日には、稲荷寿司を食べるというのが風習です。というのは、稲荷神社には狛犬ではなくキツネが祭られているのを見たことがありますよね。実はキツネは稲荷神の使いとして稲荷神社の番人をしているわけです。狐は油揚げが好物、そこで稲荷寿司というわけです。
この初午の日は毎年変わるので、毎年確認が必要になります。ちなみに2020年の初午の日は2月9日で日曜日になりますので、地元の稲荷神社へ参拝に行ってみてくださいね。厄除けや開運・商売繁盛などのご利益を受けることができますよ。
私も実際に地元の初午祭に行ったことがあるのですが、とても賑やかで清々しい気持ちになることができました。地域によって初午祭のお祝いは違うでしょうが、私の地域では出店があったり馬が綺麗に着飾って道路を練り歩いたりします。馬も狐と同じように祭りの主役のようなものですから、注目されてうれしいかもしれませんね。
初午の日のお供えは?
このように初午の日には全国の稲荷神社でお祭りが開催されます。ただ稲荷神社で行われるお祭りは地域によって違うと思いますが、そこでどんなものを食べるのか気になりませんか?
初午の日には、さきほども書いたように稲荷神社のつかいであるキツネが大好きな稲荷寿司をお供えすることは知っていましたが、それ以外にも「初午団子」「しんこまんじゅう」「しもつかれ」などをお供えして食べる風習が残っている地域があるんです。それを紹介してみましょう
初午団子
初午団子は初午の日のお供えものです。これは初午の日に、蚕の神様をおまつりする行事も行っていたので、初午団子をたくさん作って稲荷神社にお供えをします。
地域や家庭により材料や作り方は異なりますが、一般的には餅粉などで繭の形に見立てたお団子のことで、地域によって落花生のような形だったり、真ん丸のものもあります。また中には餡が入っているもの、きなこをかけて食べるもの、みたらし団子のように餡をかけて食べるものなど、地域や家庭によって千差万別です。
しんこまんじゅう
私の地域では初午になると「しんこまんじゅう」を作って稲荷神社にお供えをします。しんこまんじゅうの「しんこ」とは、上新粉の「しんこ」です。その「しんこ」に「信仰(しんこう)」もかけているとも言われています。
お米には「うるち米」と「もち米」がありますが、上新粉はうるち米、いわゆる「白米」のことなので、まんじゅうにしても、お餅のようにネバネバしていません。どちらかというと柔らかくもっちりしている感触で、柏餅に近いイメージですね。
この「しんこまんじゅう」には、緑とピンク、緑と黄色の色がついていますが深い意味はなく、単に「こしあん」と「つぶあん」を見分けるだけのものです。
しもつかれ
「しもつかれ」とは、北関東地域に伝わるものです。初午の日には「しもつかれ」と「赤飯」を作り、稲荷神社にお供えします。しもつかれは、鮭の頭と大豆、根菜などを酒粕と一緒に煮込んだ「粕汁」に似た料理です。栄養満点で身体の芯から温まりそうですね。
簡単に作れそうなレシピがありましたのでご紹介しますね。
材 料 | |
大根 | 1/2本 |
人参 | 1/2本 |
油揚げ | 1枚 |
鮭中骨水煮缶 | 1缶 |
水煮大豆 | 80g |
酒粕 | 60g |
塩 | 少々 |
醤油 | 大さじ1と1/2 |
味噌 | 小さじ1 |
※鮭は水煮缶を使い、鬼おろしの代わりにフードプロセッサーを使うことで調理時間が驚くほど短くなります。
作り方
- 大根と人参は皮をむいてからフードプロセッサーにかけます。
- 湯通しをした油揚げを細かく刻みます。
- 深鍋に材料を全て入れ煮込みます。鮭の水煮缶は汁ごと入れましょう。
鍋底が焦げ付かないよう気をつけながら15分程度煮込んだら完成です。
その他、初午祭の情報
あちこちの初午祭の日程を確認してみたところ、「花祭り」などとと兼ねて2月ではなく3月に行っている地域も多かったです。また初午が平日の年は「午の日」にこだわらず、日曜日に振り替えている地域もあります。
また総本宮の伏見稲荷大社では「願い事の数だけ稲荷寿司を食べよう」というポスターが貼られていました。あまりにも欲張って願い事をすると食べきれなくなりそうです。節分と同じような時期に行われるので、最初は「年の数だけ」と読み誤って、おなかが破裂すると思ってしまいました。(笑)
初午はお参りに行くだけで、歴史や由来について詳しくは知りませんでしたが、2020年の初午には地元の稲荷神社へ初午祭の参拝に行き、稲荷寿司や初午団子、しんこまんじゅう、しもつかれなども作ってみたいですね。