針供養のできるお寺はどこ?針を刺した豆腐は食べたほうがいいの?

針供養をする女性のイラストイベント・行事
この記事は約4分で読めます。

あなたは「針供養はりくよう」というものを知っていますか?

服飾を専門的に学ぶ学校や、衣服を扱う会社では、感謝の気持ちを込めて毎年使い終わった針をねぎらうという意味を込めて針供養を行っているようです。

ところが私は子供の頃から手芸は大好きなのですが、これまでに針供養を行ったことがありません。おそらくほとんどの人が、私と同じように針供養を行っていないのではないでしょうか。普段から針を使うことが多いので、針供養を行っているお寺や神社などで供養をしてもらおうと思いますが、これはどこの寺院で供養をしてもらえるのでしょうか?

スポンサーリンク

針供養を行なう寺や神社は?

淡島神社

皆さんの地域のお寺や神社では針供養の行事が行われていますか?

針供養は全国にあるお寺や神社で行われると言われていますが、私が住んでいる地区では見かけることがありません。では針供養はいったいどこの寺院で行われているのでしょうか?

調べてみたところ、針供養の行事は主に「淡島神社あわしまじんじゃ」または淡島神をおまつりする寺院で行われるのが一般的のようです。つまり全てのお寺や神社で行われているというわけではないんですね。

針供養を行っている主な寺院は次のところです。

  • 淡島神社あわしまじんじゃ(和歌山県)
  • 法輪寺ほうりんじ(京都府)
  • 浅草寺せんそうじ(東京都)
  • 若宮八幡神社わかみやはちまんじんじゃ(全国各地)
  • 荏柄天神社えがらてんじんしゃ(神奈川県)
  • 太平寺たいへいじ(大阪府)
  • 警固神社けごじんじゃ(福岡県)

もちろん、この寺院は針供養を行っていることで有名な寺院ですが、これらの寺院以外で針供養をやっていないというわけではありません。あなたの近くの寺院でも行っていることもありますので、詳しくはそれぞれの寺院で針供養を行っているか確認してみるといいですよ。

スポンサーリンク

そもそも針供養ってなに?

針供養イラスト

針供養は、使い終わったり使えなくなった針をお豆腐に刺して供養するという伝統的な行事です。

歴史を調べてみると針供養は平安時代から始まった歴史のある行事なんですね。針供養の日はお裁縫をお休みし、折れた針・曲がった針・錆びた針をお寺や神社に納め供養するのが習わしとされています。また針供養をするとお裁縫が上手になるとも伝えられています。

ところで、あなたは針供養の光景って見たことがありますか?私は実際に針供養を行っているところは見たことがありませんが、テレビ番組で見たことがあるんですね。初めてテレビで見た針供養の光景にとても驚きました。なにしろ、大きな真っ白いお豆腐に針がたくさん突き刺さっているんですよ。

実際には大きな豆腐ではなく、普通の豆腐をいくつも使うため、巨大な豆腐のように見えるんですね。マチ針も多く刺してあるのでとてもカラフルにも見えます。

ではなぜ針供養では豆腐に針を刺すのでしょうか?

実は使い終わった針に、最後くらい柔らかい場所でゆっくり休んで欲しいとの願いを込めて豆腐に刺すんですね。簡単に言えば、今まで頑張ってくれた針に対するねぎらいの優しい気持ちから行われる行事だったんです。

スポンサーリンク

針供養を行なう日は?

豆腐に刺した針

針供養を行なう日にちですが、地域や寺院によって異なります。

2月8日が一般的なのですが、関西地方や九州地方では12月8日に行われるのが風習化しています。しかし淡島神社(和歌山)や大阪天満宮(大阪)などでは他の地域のように2月8日に行われますし、法輪寺(京都)では12月8日も2月8日の両方とも行われます。つまり針供養は「2月8日」か「12月8日」のいずれか、もしくは両方に行われているんですね。ということで、カレンダーでは「針供養の日」は載っていないことが多いです。

ではなぜこのように針供養を「12月8日」か「2月8日」に行われることが多いのでしょうか?

昔は、12月8日を「事納め」、2月8日を「事始め」と呼ばれていて、それぞれが「農作業を終わらせる日」「農作業を始める日」とされていたんですね。つまり農作業を始める日と終わらせる日には、農作業に集中するために針仕事は止めておきましょう、といわれていたんですね。

そして、その日には針仕事をしない代わりに使えなくなった針を寺院に持っていき、豆腐のような柔らかいもの(一部の地域では「こんにゃく」を使うところもあるようです)に刺して、今までお世話になった針に感謝をして供養をする、ということが起源だったようです。

スポンサーリンク

自宅で針供養に使った豆腐は食べる?

豆腐

でも農作業を始めようという日に、針供養のために寺院に出向くのは大変ですよね。そこで昔から針供養を寺院ではなく、自分の家で行なうこともあったようです。自宅で針供養をする場合のやり方も、寺院で供養と行なうのと同じように豆腐やこんにゃくに使えなくなった針を刺して供養します。

その針供養の終わった豆腐などは、土の中に埋めたり、川に流していたようなのですが、その供養した豆腐などを食べると裁縫が上手になるとの言い伝えもあり、今も自宅で針供養をして供養に使った豆腐を食べる風習が残っているようです。

針を刺した豆腐は、できれば生で食べるのではなく、火を通してから食べた方がいいですよね。針供養は寒い冬の行事ですから、湯豆腐などのお鍋の具材にするのもいいですね。

ただ供養で豆腐に刺した針はとても危険ですので、完全に抜いてから調理するようにしましょう。また最近では抜いた針の処理も各自治体によって異なります。基本的には針は可燃物ではなく不燃ごみとなりますが、廃棄方法は各自治体の指示に従った処理をしてくださいね。