桜の開花宣言の基準ってどうやって決めている?開花時期の平均はいつごろ?

満開の桜の下を歩く人々生活
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3月から4月にかけて咲く花といえば、なんといっても桜ですよね。毎年の桜が咲くシーズンになると、お花見で盛り上がりますし、桜が咲くのを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?

とにかく日本人は桜が大好きですので、春といえば桜、もしかすると日本の国花が桜だと思っている人も多いかも知れませんね。(実際の日本の国花は「菊」です)

ところで毎年桜のシーズン前には、開花予想が発表されて、桜前線の北上とともに桜の開花情報が報じられますよね。このお天気ニュースで桜の開花情報をチェックする人も多いと思いますが、桜の開花の基準ってご存知でしょうか?桜が一体どのくらいの基準で咲いたら満開と言えるのでしょうか?実際よくわからないですよね。

ここでは桜の開花宣言が発表される基準について解説をしたいと思います!

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桜の開花宣言はどうやって決めるの?

桜の開花宣言

桜の開花宣言ですが、どのような基準があって、どのように判断しているのでしょうか?

結論から言えば、桜の開花宣言は各地にある「標本木ひょうほんぼく」と呼ばれる木の桜の咲き具合から目視によって決めています。標本木で代表的なものは北海道なら北海道神宮、東京なら靖国神社、大阪なら大阪城公園、福岡なら福岡気象台構内などにあります。もちろん標本木は日本全国、全ての都道府県にありますので、あなたの地域にも必ずあります。あなたの住んでいる地域の標本木がどこにあるのか気になるようでしたら、ぜひ調べて見てくださいね。(ネットで「桜 標本木  〇〇県」と検索すると簡単に見つかりますよ)

この標本木は、木が枯れてしまったり、老木になって花が咲きにくくなったときには変わることもあるんですよ。といっても、次の標本木は元の標本木の近くにある木が選ばれるので、毎年の開花予想や開花宣言にはほとんど影響がないんですね。元の標本木から離れた場所にある木にしてしまうと「例年と比べて・・・」などということがわからなくなってしまいますものね。

 徳島地方気象台(徳島市大和町2)は8日、桜の開花や満開の観測を行っている標本木(ソメイヨシノ)を同じ敷地内にある別のソメイヨシノに変更すると発表した。枯れる恐れのある老木から若い木に世代交代することで安定した観測につなげるのが目的。

気象台によると、古い標本木は気象台が現在の場所に移転した1963年に正門付近に植えられ、樹齢は推定約60年。遅くても2003年には標本木として観測されていた。それ以前はどの木が標本木かの記録がなく、新しい標本木が何代目かは不明。

古い標本木は枝枯れが見られ、今後花付きが悪くなったり開花が遅れたりする恐れがあるため、変更することにした。

新しい標本木は、古い標本木から約50メートル離れたところに立ち、樹齢は約15年。代替わりを見据えて07年に植えられた3本のうちの1本で、病気など不測の事態に備えて指定している副標本木4本のうちの1本でもあった。

古い標本木と副標本木の開花日や満開日を6年間比較観測し、古い標本木とのずれが最も少ない木を選んだ。

気象台の勇定則調査官は「変更によって開花日や満開日の統計への影響はなく、今後も安定した観測ができる」としている。

(出典元:徳島新聞

 

さて桜の開花情報や開花宣言をどのように決めるのかということですが、驚いたことに気象庁の職員が数時間おきに標本木を実際に目で見て確認しているんです。そしてその開花状況から「桜が開花した」という発表をするんですね。そのため各地の標本木は、気象台になるべく近い場所にあるという共通点もあります。中には「気象台が移転したから」という理由で標本木が変わることもあるんですよ。

 奈良地方気象台の移転に伴い、今春から桜の開花発表の観測に用いる「標本木」が変更され、奈良女子大付属中等教育学校(奈良市東紀寺町1)のソメイヨシノが選ばれた。

(出典元:毎日新聞

 

では開花宣言は、その標本木の花がどのぐらい咲いた時期を「開花」というのでしょうか?

地域によって多少異なるようですが「標本木の桜が5~6輪が咲いたとき」としているところが多いです。つまり標本木が1輪や2輪ほど咲いただけでは、まだ「開花宣言」は行われないんです。もっともこれはあくまで気象台の人の目によるアナログ的ものなので、カメラなどで標本木のあらゆる角度から観察して「5~6輪咲いたから開花」としているわけではないんですね。まさに気象台の人の長年の経験と実績によって決められるものなんです。

ただ「開花宣言」はあくまで標準木を基準にして発表されているので、「桜が開花したらしいから見に行ってみよう」と桜の名所に出かけて行っても、まだ硬いつぼみのままだったり、逆に想像以上に桜が咲いていて驚いたりするのはこのためなんですよ。

ちなみに桜の開花情報で「〇分咲き」という表現を聞いたことがありますよね。これは標本木の花がどの程度咲いているかという状態を表しているんです。つまり「3分咲き」なら標本木の桜の花のうち「咲いたのが3割、まだ花が咲いていないつぼみが7割」ということを意味しているんです。この「〇分咲き」というのは、地域によって多少異なりますが「三分咲き」「五分咲き」「八分咲き」「満開」(あとは「散り始め」「葉桜・おわり」となります)という表現をつかわれることが多いですね。

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桜の開花時期の平均はどれぐらい?

満開の桜

日本は北と南では気温が大きく異なりますので、開花時期も当然各地で違います。またそこに標高(山間部は遅いです)や冬の寒さなどのさまざまな条件によって異なるので、正確な開花日を予測するのは直前まで気象庁でも難しいと言われています。暖冬だと沖縄では1月に桜が咲くこともありますものね。(もっとも沖縄の桜は「ソメイヨシノ」ではありませんが)では各地の桜の開花時期を平均するといつごろなのでしょうか?

満開の時期は沖縄だと2月の下旬、九州~関西、中部地方は3月下旬から4月上旬、関東地方や東北地方の太平洋側の南部は4月中旬、東北北部と日本海側は4月下旬、北海道なら5月上旬あたりが多いですね。これらが満開になる時期ですので、開花宣言ならもう少し(1週間ほど)早くなるのが妥当なところですね。

また桜は満開になって散り始めるまで10日~2週間ぐらいと言われています。もちろん満開になってから強風が吹いたり、雨や雪などが降るとそれより早く散ってしまいます。また満開になってから気温が低い日が続くと桜が散りにくくなるので、お花見を長く楽しむためには穏やかに晴れた寒い日が続くほうがいいのかもしれませんね。

私は関西の平野部の在住なので、桜といえば4月上旬に見ごろ(おおむね8分咲き~満開~散り始めの時期ですね)を迎えるというイメージが強いですが、平地が散り終わった頃に山間部(奈良県の吉野桜が有名です)で満開になるといった印象があります。同じように東北や北海道の人は、桜は4月というよりも5月のイメージが強いでしょう。

桜は、早めに咲くには寒い冬の間にしっかりと眠る必要があるらしく、2019年は開花前に何度が寒の戻りがあったので開花するのが当初の予想より早かった(開花は例年並み)ですが、2020年は暖冬と言われているので桜が咲くのが遅くなるかもしれませんね。

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桜の開花情報に関するまとめ

桜の花とつぼみ

桜の開花は気象庁の職員が標本木を目で見て確認をするという方法なので、意外とアナログ的なことをやっているんだと驚かれたかもしれません。もっとも近年では異常気象によって気象庁でも桜の開花予想をすることは難しくなってきています。

ちなみに開花宣言を行なうのは桜だけではないんですよ。たとえば「梅」「イチョウ」「カエデ」「アジサイ」などにも桜と同じように標本木があり、同じように気象庁の職員が目で見て開花を確認しているんですよ。「梅」や「アジサイ」などは観光スポットも多くありますので、新聞などで開花情報が掲載されていますので確認してみてくださいね。