掃除がとにかく苦手だという人もいるのではないでしょうか?
キレイにしたら気持ちいいのは分かるんだけど…どこから手を付けたらいいのか分からない。
そう、なかなか簡単に取り掛かれない場合がありますね。
今回はそんな掃除の極意をお坊さんに学んでみたいと思います。
「お坊さんが教えるこころが整う掃除の本」
ここに1冊の面白い本をご紹介します。
日頃修行の一環として掃除をしているお坊さんが掃除について書かれています。
そうです!お坊さんにとって掃除は修行なのです。
仏道に励むお坊さんの修行として、作務・勤行・学問があります。
作務とは、掃除や庭の掃除のことを言います。
そして、2番目に勤行といいお経を読んだり座禅をしたりする勤めのことをいい、
3番目に勉強がきます。
実は、こころを磨く修行としては作務、いわゆる掃除が一番大切とされているんです。
掃除で自分の内面と向き合うことが出来るのです。掃除は汚れを取るだけでなく、
心の汚れを取り除き、また空間の隅々にまで意識を行き渡らせることにより、
多くの気づきを与えてくれることを教えてくれます。
日本の小学校や中学校には掃除の時間がありますね。
これは日本だけの風習で海外の学校にはないそうです。
日本人が掃除は、汚れを落とすだけの行為ではなく、心を磨くことでもあるというのを
昔の人はよく理解していたからだと言われています。
掃除が苦手で…という方は、一度、「心を磨く時間だ」と思って取り掛かってみてはいかがでしょうか。
まずは、日頃気を付けるポイントをお話します。
まずは「断捨離」から始めましょう
お寺さんは、本当に清々しい空間を保っていますね。
それはもちろん掃除が行き届いているからというのもあるのですが、
もう一つ、余計なものが一切置いていませんよね。
「掃除が苦手」という人の多くは物が捨てられないという共通点があります。
全部必要と思っているのかもしれません。
念のため…という方も多いかもしれませんね。
家庭での「断捨離」はとても重要なことです。
どうしても捨てられないときは、毎日使うものだけを出しておいて、
あとは段ボールにでも入れて押し入れの奥にでも置いておきましょう。
(春秋の衣替えの洋服などの季節モノは別にしておきましょう)
そして半年後、その段ボールの中身を見てみてください。
使ったものはありましたか?
もしかして押し入れに放り込んだままになっていませんでしたか?
きっと半年間で使わなかったものが、たくさん出てくるはずです。
半年もの長い間、全く使わなかったものは、これからも使うことはありません。
それが分かったら、思い切って捨ててしまいしょう!
物の置き場所を決めることが重要
たとえば会社のデスクを見ると、片づけが得意な人と苦手な人が一目瞭然です。
デスクの上に雑然と物が重ねられ、ひどい人は雪崩が起きそうになっています。
使った文房具や書類など、元の位置に収められないから積み上げるしかないのでしょうが、
そもそも物の置く位置が決まっていないから、積み上げざるを得なくなってしまうんです。
これは会社だけではなく、一般の家庭の中でも同じことが言えます。
引きだしの1段目に入れるもの、2段目に入るもの、食器を置く場所、本を置く場所・・・
すべての物の置く(保管する)位置が決まっていて、使った後はその位置に戻す。
これさえ出来れば、かなり片づけが楽になります。
また、1つ買ったら1つ捨てることも心がけましょう。
何かを買って、そのものを保管するための置き場所を作るのは本末転倒です。
収納スペースを増やしてしまうと、せっかく片づけたのに、また物に囲まれてしまいますよ。
汚れない工夫をする
汚れてしまってから、いざ掃除を始めようとしても、億劫になってしまいますよね。
せっかく掃除を始めようと思い立っても、結局そのまま諦めて放置してしまうかもしれません。
また物を片づけた後は、今まで隠れていたゴミやホコリが目につくようになってきます。
それをそのまま放置してはいけません。
少しのゴミやホコリでも気付いたら、すぐに掃除をすることが重要なんです。
修行中のお坊さんは、この「こまめに掃除する」という事が出来ているからこそ
キレイなお寺を保っていられるのですね。
お坊さんにとって掃除とは
お坊さんにとってお寺を磨くこととは「心を磨く」ことにつながり、執着を手放し、体に任せ、
その結果として、お寺も自分の心もキレイになっているんだそうです。
これは、大本山永平寺別院長谷寺のお坊さんから聞いた話なのですが、
現代人、特に都会に住む人の多くは身の丈以上のことをして、振り回されて過ぎている。
そんな頭を冷やし、のぼせを下げるにはせっせと体を動かすのが一番である
とおっしゃっておられました。
磨き掃除は、空間をキレイにするとともに、自分の心を磨くことなんです。
いきなり全てをピカピカに磨くのは難しいと思う人は、まず自分の身の周りから
「磨く」ということを始めてみてはいかがでしょうか。
仕事で書類に追われる日々を送っていると、2~3日休んだ日には、机が書類だらけで
「磨く」どころかデスクが見える状況を作るまでに時間がかかりますよね。
かつての私も、実は片づけが苦手で物が雑然と積み上げられた状態で仕事をしていました。
今は、書類や文房具類などの小物の位置も完全に決めているので、片づけに時間がかかりません。
そして、デスクの上にウエットティッシュを置いてこまめに磨くようにしています。
キレイな環境で仕事をするのが気持ちいいというのもありますが、心が整うと同時に仕事も整います。
自然と、トイレや湯沸かし室、窓、玄関、すべてにおいてキレイにしていたい気持ちになりますので、
一度試してみてください。
お坊さんから教わったこと
お坊さんのように、いついかなる時に来客があっても慌てない空間にしておくこと、
これは、お客さんの為でもありますが、自分のこころを整えることでもあったのですね。
家事をおろそかにしない昔の人にとっても、掃除は人格を作る重要な要素だったのでしょう。
できることから見習っていきたいものですね。