自宅に和室がなくても、いざ和室の掃除をしなければならないときに
最低限のマナーや方法を知らなければ、大恥をかくことになります。
そんなことにならないように、これだけは知っておきたい
和室の掃除のコツとアイデアを紹介します。
和室の掃除方法の基本
和室では「畳の目に沿って掃除をする」のが大原則です。
これは昔ながらの「ほうき」「雑巾がけ」、そして「掃除機」
全てに共通することです。
まずはこれを知らないと、あなたは大恥をかくことになります。
和室の掃除方法
では実際に和室の掃除をしてみましょう。
まずは、ほうき(箒)や掃除機で部屋の隅から大きなゴミを、和室掃除の大原則に
したがって、畳の目に沿って掃除していきます。
そのあと拭き掃除をするのですが、この時に注意しなければならないことは、
雑巾はできるだけ固く絞り、和室掃除の大原則にしたがって、畳の目に沿って
拭いていくということです。
ただし、ここでお掃除によく使われる重曹は畳の掃除に使ってはいけません。
重曹はアルカリ性ですので、畳(い草)を黄ばませてしまい、畳がシミに
なってしまうからです。
さらに畳に拭き残すと、重曹の成分が変化して黒いシミになってしまい、
非常に落ちにくい頑固な汚れの原因にもなります。
畳の拭き掃除は、必ず固く絞った雑巾で水拭きを行いましょう。
茶葉を使って殺菌・消臭
毎回の掃除でというわけではありませんが、ときには(月1回ぐらいを目処に)
茶葉で畳の殺菌を行なったほうがいいでしょう。茶葉に含まれるカテキンには、
殺菌効果と消臭効果があるためです。
この掃除方法は固く絞った茶葉(飲み終えた茶殻(ちゃがら)で構いません)を
畳に全体的にまいてから、ゴミを掃くときのように、茶葉をほうきで掃き出して、
その後は雑巾で乾拭きしましょう。
この時は茶葉が濡れているので、水拭きより乾拭きのほうが向いています。
ただし茶葉の絞り方が足りず、しずくが垂れるほど湿った茶葉のままだと
畳が変色してしまう可能性があるので、必ずしっかり絞ることが必要です。
ただし乾燥してしまった茶葉では効果が半減してしまいますので、
適度な水分を含んでいる状態の茶葉を使いましょう。
また茶葉は水分を含んでいるので掃除機は使わずに(故障の原因になります)
ほうきで掃き出しましょう。
塩を使って殺菌
今のように清掃用の洗剤がなかったころ、昔の人は畳の清掃に茶葉だけではなく、
塩も使って掃除をしていました。これは塩にも殺菌効果があるためです。
この掃除の方法は、茶葉と同様に塩を畳の全体的にまいてから、
ゴミを掃くときのように、ほうきで掃き出します。
塩は乾燥しているため、茶葉と違って乾拭きは不要ですが、
素足で歩いたときに塩のザラザラ感が気になるようなら、
乾拭き、または固く絞った雑巾で拭いてもいいでしょう。
茶葉や塩を使って殺菌する方法は、もし小さい子供がいても、茶葉や塩なら
洗剤とは違って無害なので、万一、口に入れてしまっても安心ですね。
和室を掃除する方法のちょっとしたアイデア
ふすまや障子のレールのゴミ取り
障子やふすまのレールの部分は非常に細かい汚れが付きやすく、ほうきでも雑巾でも
なかなか汚れを取る事ができない部分です。
そんなレールのゴミは輪ゴムを使うと便利で楽に汚れを取ることができます。
この掃除の方法は、レールの溝の上に輪ゴムを数本置き、そのまま障子やふすまを
何度か開閉すると、輪ゴムにゴミが絡まり簡単に掃除をすることができます。
障子(しょうじ)の桟(さん)と柱の掃除
障子の桟や柱は、表面加工がされていない木製のものが多いです。
「白木」と言われる木で湿気に弱く、水拭きをしてしまうとシミになる可能性があります。
もちろん一般的な住宅用の清掃用洗剤は絶対に使用してはいけません。
障子の桟は、はたき(今なら静電気で吸着するタイプのものでも構いません)を使って
ホコリを取ります。
静電気で吸着するタイプのはたきは、100円均一ショップでも売っていますが、
もし、はたきがなく、使わなくなったストッキングがあれば、それを切って
輪ゴムなどで棒に巻き付けたものでも代用できます。
ストッキングは静電気が発生しホコリを吸着してくれますので、静電気で吸着するタイプの
はたきと同じ効果があります。
もし障子の桟に汚れがたまり、はたきだけでは汚れが落ちない場合は、
必ず白木用の専用洗剤で汚れを落とし、その後に乾拭きをするようにしてください。
(白木用洗剤でも拭き忘れるとシミになる可能性があります)
障子をキレイに保つには
障子紙はとても破れやすいものですが、寒天を使うことで補強ができます。
障子の紙を張り替え、乾いた後に、全体に水に溶かした寒天をゆっくりと
ハケで塗れば、障子紙は破れにくく、丈夫にすることができます。
また、障子紙の黄ばみが気になったら、大根おろしの汁を霧吹きに入れ、
障子紙に直接スプレーすると黄ばみが消えていきます。
ただし勢いよく吹き付けると、障子紙が破れてしまう可能性があるので
ゆっくりと静かに吹き付けてください。
またこれは掃除ではありませんが、障子の張替は雨の日が良いと言われています。
雨の日は湿度が高いので障子の紙が湿気を吸って伸びた状態になっているので、
雨が上がって湿度も下がり、紙が乾いて縮むことによって、張り替えてから数日後に、
ピンと張った、きれいな障子にすることができますよ。
仏壇の掃除方法
和室に仏壇がある場合は、仏壇も掃除しなければなりません。が、
仏壇の掃除は乾拭き、または静電気で吸着するはたきでホコリを
落とす程度で問題ありません。
仏壇そのものは木製ですが、漆塗りや金箔が貼られているものなら、
よほどのことがない限り、ひどく汚れがついてしまうことはありません。
位牌や仏具なども同様です。
これは掃除に限ったことではありませんが、仏壇は汚さないようにすることです。
例えばお供えの水分をこぼしてしまったら、すぐに拭き取ればいいだけですし、
うっかり何かを付着させてしまっても、拭いてしまえば問題ありません。
また仏具は仏壇の前にテーブルを置き、そこに置くようにすれば仏壇に線香の灰が
落ちることを防ぐことができますし、火災の予防にもなります。
和室を掃除する方法とは
和室の掃除というと、自宅に和室がなければ難しそうに感じますが、
基本的なルール(作法)と基本的なしきたりさえ頭にあれば、
細かな違いはありますが、洋室の掃除と大きく異なるものではありません、
身近にあるものを使って、ちょっとした工夫や豆知識で掃除が楽になるのも
洋室の掃除と全く同じといっていいでしょう。
和室には洋室にはない畳の良い香りで非常にリラックスできるので、
みんなで過ごす快適な空間に保つためにも、洋室より少し手間はかかりますが、
こまめな掃除をこころがけましょう。