沖縄の正月は食事難民になる?地元民が語る気温や驚きの情報!

波上宮イベント・行事
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沖縄は独特の文化があるとは聞きますが、そんなに何もかも異なるのでしょうか?

「ゴーヤーチャンプルー」「きれいな海」「泡盛」などは全国的に有名でも、意外と身近な行事の違いが伝わっていないことも多いようです。

沖縄のお正月は県外とどこが違うのか、沖縄移住歴9年の私がご紹介しましょう!

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沖縄のお正月は家庭でお祝いすることが多い

シーサー

沖縄のお正月は親戚が集まって家庭でお祝いすることが多いです。

そのため、飲食店でも年末年始はお休みになってしまうところも多いので、観光客が「食事難民」になってしまうこともあるんです。

もちろんホテルや民宿などを予約しているのなら朝夕の食事は問題ありませんが、フリープランや昼食でお目当ての店に行こうとしている場合は、事前にお正月に営業をしているか確認しておいた方がいいですよ。

ただ沖縄では旅館や民宿でも、沖縄流の食事が出てくることもありますので、戸惑われることのないよう他の地域と沖縄の家庭でのお正月の違いをご紹介しましょう。

沖縄の「年越しそば」って?

ソーキそば

沖縄で「そば」と言ったら、たいてい「沖縄そば」か「ソーキそば」のことを指すので、大晦日も「日本そば」ではなく「沖縄そば」や「ソーキそば」を食べる人が多いです。

旅館や民宿でも「年越しそば」を頼むと「沖縄そば」や「ソーキそば」が出てくることもあるんですよ。

おせち料理がない?その理由は気温が大きく関係

オードブル

沖縄では「おせち料理」そのものの風習がありません。

冷蔵庫のない頃、料理を作り置きしておくと傷んでしまったからなんですね。

というのも沖縄では12月でも平均気温が19度、1月でも17度で、年間を通して最低気温が10度を下回ることはほぼありません。

また沖縄は12月や1月は雨が多いので、それでなおさら料理が傷みやすいのかも知れませんね。

お正月には、ほとんどの家庭では「おせち料理」の」代わりに「オードブル」を食べます。

オードブルとは、おかずの盛り合わせのことで、てんぷら、肉団子、からあげなどのお料理を盛り合わせたものです。

なにを盛り付けるかという決まりはありませんので、中には海苔巻きなどが入っているものもあるんですよ。

自宅で作るというよりも、お弁当店、飲食店、スーパーなどに注文することが多いです。ちょうどクリスマスのケーキを自宅で作らずにケーキ屋さんやコンビニで買うような感じですよね。

他の地域から遊びに来た人が、沖縄のお正月で一番驚くのがこれですね。

沖縄には「お雑煮」がない?その理由とは?

中身汁

沖縄にもお餅はありますが、もともとは餅粉をこねて作った「お団子」のようなものなので、「お雑煮」はありません。

もっとも最近では県外の「切り餅」は沖縄でも人気があるので、スーパーなどでは買うことができるようになってきました。

沖縄ではお正月には「お雑煮」ではなく、豚の内臓で作った「中身汁」がよく食べられます。

最近は県外からの移住者も増えましたので、スーパーなどでは元々の「沖縄料理」の材料に加えて、「日本蕎麦」も「おせち料理」の材料も販売されています。

お正月のお料理は多種多様で、家庭の数ほどあるとも言えそうです。

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沖縄の料理以外のお正月行事の違いは?

ここまで沖縄と県外のお正月ついて「料理」を中心に紹介しましたが、実はそれ以外にもお正月に見かけるもので違うものがいろいろとあるんです。

次は「料理以外のもの」を紹介しますね

門松・お正月飾り

那覇大綱挽(「那覇大綱挽」の綱)

門松やお正月飾りも、他の地域とは少し異なっているんですね。

まず「門松」を個人の家の前に飾るというのはほとんど見かけません。(もっともこれは他の地域でも少なくなってきていると思いますが)

ただスーパーやホテルなどの商業施設には大きな門松が飾られます。

それに比べて、個人の家ではお正月飾りを玄関先に飾る家が多いですね。

特に毎年秋に行われる「那覇大綱挽なはおおつなひき」の綱は縁起が良いとされているので、綱挽つなひきが終わった後に綱を切り分けてもらい、これを使ってお正月飾りを作る人もいますよ。

獅子舞

獅子舞

お正月などのお祝いの時に見られる獅子舞は、沖縄にもありますが、その姿は写真のような他の地域のものとは全く異なります。

獅子頭はデイゴの木で作られ、茶色に塗られていることが多いです。

体は布(幕)ではなく、ひも状のもので作られた毛むくじゃらの姿で、中国の影響が強いことがよくわかります。

地域によって獅子舞の姿や所作が異なり、地域を練り歩くこともあります。

邪気払いの意味があるのは同じで、獅子舞に頭を噛んでもらうと縁起が良いというのも同じです。

お餅つき

杵と臼

「料理」のところでも書きましたが、もともと沖縄には、ついたお餅はありませんでした。

最近になって県外から伝わったのものなのでしょう。

今ではホテルでお正月のイベントとしてお餅つきが行われ、宿泊客に振る舞われます。

また、だんだんと那覇市のメインストリートである「国際通り」周辺の商店街でも、お餅つきが行われることが増えてきていて、沖縄県民や観光客の区別することなく、お餅が振る舞われています。

ただ沖縄では「あんこ」があまり人気がないので、「きなこもち」だけしかないこともあります。

その他のイベント

初日の出

沖縄でも初詣や初日の出を見に行く人は多いです。周りが海で遮られるものがないということもあるのでしょうが、観光客と同じように地元の人も初日の出は楽しみにしています。とってもキレイですよ。

ただ他の地域のような大人数で盛り上がる、年末の「カウントダウンイベント」や「カウントダウンライヴ」などは少ないように感じます。

沖縄では他の地域に比べて、家族でお祝いする静かで厳かなお正月と言った印象で、お休みになる店も多いので「昔の日本のお正月」をイメージしていただくとわかりやすいかもしれませんね。

年末年始に沖縄旅行を考えている人は、訪問先の情報を十分にチェックされてからお越しくださいね。

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実は沖縄のお正月は3回もある!?

招き猫と梅

そもそも沖縄のお正月って3回もあるんですよ。

1つ目がカレンダーどおりの1月1日、いわゆる「元日」ですね。

2つ目が旧暦の1月1日である「旧正月」です。

旧暦は月の満ち欠けを基準にしているので、その年によって日付が異なります。(2020年は1月25日です)

沖縄の行事は旧暦で行われることが多いので、沖縄で販売されているカレンダーには、ほとんど「旧暦」が書かれていることも特徴の1つですね。

3つ目が十六日祭ジュウルクニチーで、旧暦の1月16日に行われる「あの世のお正月」です。(2020年は2月9日です)

1つ目のお正月は、沖縄のほとんどの地域でお祝いしています。

2つ目の旧正月は「糸満」などで盛大にお祝いします。

3つ目の十六日祭では、ご馳走をお墓にお供えして、そのあとみんなで食べます。

 

地域によって、家によって、どのお正月を盛大にお祝いするのか、3つとも全ておこなうのか、2つだけなのかは異なります。

お年玉や年賀状などの行事は全国と同じ元日のお正月の1回だけですが、お正月の準備は年間で最大3回も行なわなければならないので、「沖縄の長男の嫁は大変」って言われる理由が、このあたりにもあるのかもしれませんね。

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沖縄のお正月って・・・

招き猫と手毬

沖縄には独特の文化があります。他の地域と同じものもありますし、全く異なるものもあります。

初詣や初日の出を楽しみにしているのは同じですが、おせち料理やお雑煮はありません。

獅子舞が邪気払いをするのは同じですが、姿は全く異なります。

沖縄のお正月は3回あり、地域や家庭によって、どれを盛大に行うかが異なります。

年末年始はお店などがお休みになってしまうところも多く、また3度のお正月の時期には宿泊先や道路が混雑することもありますので、沖縄に来られるときには訪問先を十分にチェックしてくださいね。